レイアウトの基本を知っておこう③

魅力を引き出す奇数の法則

シンプルな法則として、「奇数の法則」を覚えておくと構図を決めるのが楽になります。
これは、人は偶数のものよりも奇数の方が良く見えるというものです。
たとえば4人並んでいる写真よりも、3人の方が魅力的に見えるといったものです。

仲間との集合写真は人数を調整できませんのでしょうがありませんが、風景の中に映り込む人の数であれば調整することができます。
カメラフレームの位置を変えて、人数が奇数になる角度で撮影するのです。
また、建物の柱、料理の品、電信柱などの数も一回数えてみて、奇数にまとめると不思議な一体感が出て、より魅力的に見えるようになるものです。

これを逆に利用することも可能です。
たとえば同じ角度、同じ距離感で2人の人物や動物などを配置します。
こうするとどちらが主役なのかと迷ってしまうと共に、二人の間に何かあるのか、何かコミュニケーションをしているのかといった連想ができるようになります。

フレームを被写体でいっぱいに埋めてみる

動物や食べ物、建物などをメインに写したい時、全体像が分かるように構図を取ることが多いかと思います。
もちろんそれでも良いのですが、一つのショットとしてフレームをその被写体で埋めてみるといった構図も試してみましょう。
おそらく、被写体の全体ではなく一部にかなり寄った構図となるはずです。
たとえば、建物であれば二階と屋根の部分だけになるとか、動物であれば顔をアップにするといった感じです。

構図に余白を入れないことで、よりインパクトと存在感のある写真となります。
また、余計なものが映り込まないのでメインとなる対象に集中してもらうことができます。
建物や自動車などの場合は、全体のフォルムではなく細かなデザインや作りをよく見てもらえるという効果もあります。
特にそのデザインが印象的な場合は使いやすい方法です。

余白を大きく取って活かす

被写体で埋めて余白を取らないという手法とは真逆の方法で、余白をたくさん作って、メインとなる被写体を小さめにします。
これは、背景とのコントラストを表現するのに効果的です。
たとえば澄んだ青空の下に見えるモニュメントであるとか、広大な海を背景にした動物といった具合です。

この手法では、余白、つまり背景がごちゃごちゃしておらず、美しいものでないと意味がありません。
被写体との関係が分かりやすい背景となるようにしましょう。

また、被写体の配置が重要です。
三分割の法則を使って、センターから外すといったやり方も良いでしょう。
ちょっとした角度や位置関係で背景とのバランスや被写体の見え方がかなり変わってきますので、撮影する場所を移動しながらベストな構図を探してみましょう。