ありのままの風景を撮影する技術を
鉄道撮影で勝手に沿線の樹木を切る事件が発生!
鉄道写真撮影が趣味の方のターゲットは、何も駅構内に停車中の電車だけではありません。
走行している列車を狙って、沿線にカメラを構えている方もいます。
電車がかっこよく映るスポットを自分の足で歩いて確認し、スナイパーのようにじっと電車を待って狙い撃ちしている人もいるほどです。
電車の撮影に命を捧げている方々のことを撮り鉄と読んだりしますが、この撮り鉄たちの行為が時にはトラブルを引き起こすこともあります。
駅構内での撮り鉄による撮影が、駅を利用する一般客の迷惑になるという話を聞いたことがある人も多いでしょう。
しかし、前述の通り撮り鉄の範囲は駅の中だけではありません。
ターゲットとなる電車の沿線でも、驚くような問題を起こしてしまうケースがあります。
例えば2021年に八王子市で起こったのは、撮り鉄が自分にとって良い写真を撮影するために、沿線にある一般家庭の家の庭の木を勝手に刈り取ったという事件です。
他人の所有物である植木を自身の満足のために勝手に伐採するというのは、常軌を逸した行動であり、とても見過ごせるものではありません。
こうしたマナーの悪い撮り鉄がはびこるからこそ、きちんと他者に配慮をして撮影している方にも迷惑が及んでしまうのです。
もちろんこの行為は立派な犯罪であり、他者の所有するものを破壊した器物損壊罪に当たる行いです。
たった一度の気の迷いが、のちの人生に大きな影響を与えるということを忘れてはいけません。
また、八王子の事件以外でも、道端に植えられている樹木を勝手に伐採する人たちもいます。
個人の所有物でなかったとしても、植えられている木を勝手に切って良い権利は持ち合わせていないはずです。
素敵な電車の写真を取りたいのであれば、ルールや常識を守ったうえで行うことが求められます。
上記の事件のようなモラルの欠如が自分たちの首を締めているということを、きちんと認識しないといけませんね。
樹木も風景の一部であることを忘れずに
ターゲットとなる電車を沿線で撮影する場合は、周囲の風景すべてひっくるめて愛すことを忘れないことが大切です。
どんなに木が邪魔であったとしても、それが現実である立派な風景の1部です。
自分の都合だけでその現実を歪めてしまうのは、とてもナンセンスな行いなのではないでしょうか。
よりよい写真を撮影したいという気持ちは十分理解できますが、それによって他者に迷惑をかけてはいけません。
アングルや撮影位置を変更すれば樹木を排除しなくても十分良い写真は撮れますので、風景を破壊するのではなく、自分の写真に関するテクニックを磨く方向にエネルギーを使うようにしましょう。