レイアウトの基本を知っておこう⑥

カメラ

三分割法とは何か

写真を撮影するとき、単にシャッターを切るだけではなく、どのように被写体を配置するかがとても大切です。レイアウトを工夫することで、写真の印象や伝わり方が大きく変わってきます。特に「三分割法」は、構図を整えるうえで基本中の基本といわれています。
三分割法は、写真の構図を縦横それぞれ3等分するガイドラインをイメージして、その交点や線上に被写体の主題を置く手法です。カメラのファインダーや液晶画面に、あらかじめ表示できるグリッド線がある場合も多いため、それを活用すると簡単に三分割法を実践できます。被写体を交点に置くと、自然と視線がそこに集まりやすくなり、写真全体に安定感やバランスを与えられるのが特徴です。
この三分割法は、風景写真やスナップ写真、ポートレートなど、さまざまなジャンルで応用できる汎用性の高さが魅力です。シンプルなテクニックですが、写真の完成度をグッと引き上げてくれる頼もしい味方だといえます。

被写体の配置を工夫する

三分割法を使う際は、被写体をどの位置に置くかを意識するだけでなく、背景との兼ね合いも考慮することが大切です。たとえば、広い景色を撮るなら空と地面を3等分して、地平線や水平線をガイドラインに合わせる方法があります。人物を主役とする場合は、目線の位置や表情がガイドラインや交点にくるよう工夫すると、よりインパクトのある写真になるでしょう。
また、被写体をあえて三分割のガイドラインから少し外すことで、意図的に動きを感じさせたり、ユニークな空間構成を作り出せる場合もあります。基本は大切ですが、必ずしも固定観念にとらわれる必要はありません。自分が「この配置が一番しっくりくる」という感覚を大切にすると、写真にオリジナリティが生まれます。

初心者でも取り入れやすい構図づくり

三分割法は、構図に悩む初心者にこそ試してほしいテクニックです。カメラを構える際、まず三分割のガイドラインをイメージし、どこに主役を置こうか、どこを空間として残そうかと考えるだけでも、写真に明確な狙いを持ちやすくなります。
さらに、撮影の後で写真を見返すときも、三分割法を意識して「どう配置したらもっと良くなったか」を振り返ると、着実に構図力が高まります。最初は難しく感じるかもしれませんが、撮影を繰り返すうちに自然と身につくはずです。

また、この三分割法を少しアレンジして、主役を極端に端へ寄せることで、広大な余白を生かした表現を楽しむこともできます。余白には街並みや空、風景など、被写体を取り巻く環境をたっぷりと入れると、その場の空気感をより強く伝えられます。さらに、三分割を意識しつつ撮影した写真をトリミングで微調整すれば、後からでも構図を洗練させることができるので、撮影段階と編集段階の両面で活用してみてください。
レイアウトの基本を知ることで、写真表現の幅は大きく広がります。特に三分割法はシンプルかつ効果的な方法なので、ぜひ一度試してみてください。少しの工夫で、あなたの撮影がさらに楽しく、魅力的なものになるでしょう。