レイアウトの基本を知っておこう⑤

色の相性を意識するとまとまりがある写真に

写真の印象を決定づける要素はさまざまですが、初心者の方でも考えやすいのが色に関してです。
写真は被写体を中心として背景とともに切り抜きますが、そこに映り込む色を厳選すると、全体的にまとまりのある写真にすることができます。
わかりやすいコツとしては、写真に映り込む色を制限することです。

せっかく素敵な被写体があるのに、背景に色がたくさんあると視線が被写体に向きづらく、被写体が際立たなくなってしまいます。
こうした状況に陥らないためには、写真に映り込む色を2色程度に限定する方法がおすすめです。
色を絞ることで、写真全体がちぐはぐになることを防ぐことができます。

さらに重要なポイントを挙げると、色の相性に関する知識はとても大切です。
色にはそれぞれ相性があり、組み合わせると良くなるものもあれば、反対に悪くなってしまうものもあります。
こうした色の組み合わせを配慮したうえで2色に限定することができれば、それだけで上手な写真が取れるようになるでしょう。

被写体の向きとスペース

写真を上手に撮影するコツとして、被写体の向きやスペースもとても大切です。
多くの方が被写体を写真のど真ん中に持って行きがちですが、実はこの構図はあまり良いとは言えません。
ではどうすればよいのかというと、おすすめは被写体を中心からずらした構図にすることです。
被写体を左右の片方にずらし、横にスペースを取ることで少し写真全体の空気感が変化します。

ポイントとしては、被写体が向いている方向にスペースをあけることです。
つまり被写体が右を向いているのであれば、向いている右側にスペースを作る構図で撮影するということです。
まずは、このシンプルなルールに従って写真撮影をしてみましょう。
そうすることで、段々とどのような構図が良いのかが感覚でわかるようになってくるようになります。

左から右への法則を活用する

写真を撮る際に意識したいのが、左から右への法則です。
私達人間は、横書きの文章を見る際に左から右へと視線を動かします。
これと同様に、写真も左から右へと視線が動きやすいというのがこの法則です。

つまり、動きがあるものを撮影する場合は、動きの進行方向が左から右になるように撮影するとしっくり来るということです。
例えば人が歩いている写真を取りたいのであれば、左側に被写体を置き、右側にスペースをつくった構図で撮影したほうが決まりやすいのです。

もちろん、私達日本人は縦書きの文章のように右から左へと読んでいく文化もありますから、一概にこれがすべてとは言えません。
表現したい内容によっても構図は変わります。
しかし、こういった習性があることを意識しておくだけでも、写真の構図が上手になってくるものなのです。